ネネコ
 利根川に住むネネコというカッパと小学校三年生のマリの心のふれあいの物語です。マリは、兄の勇気と母の三人でくらしています。母は重い病気にかかっています。医者のつぶやきにわずかな望みをいだき、マリは五月の初めの明るい月の真夜中に利根川にネネコをさがしに行きます。
 川に落ち、目がさめると、そこにネネコのケン、キロ、その両親、そして、おじいさん・・・幸せなネネコの家族がいました。
 人間とネネコの悲しい話をネネコのおじいさんから聞かされます。昔は仲が良かったのに、人間たちのわがままのために、たくさんのネネコたちが死にました。ネネコは自分たちの幸せを守るために、人間の前に決して姿を現さないことを決め、静かに生きてきました。人間とネネコが友だちになることは、おたがいに不幸になることなのです。
 でも一緒にいると心が通います。マリは思います。友だちでいたい、この家族と仲良くしたい、お母さんの病気に効く薬がほしいと。
 
 自然とは、共存することだと私は思います。ケンのおじいさんが言います。「仲良くするということは、一緒に生きるということじゃ。これはな、ほんとうにむずかしいことなんじゃよ。」カッパたちは人間の前に姿を現さないほうが、やっぱり幸せなのかも知れません。でも、゛いつか゛は、とマリは思っています。ケンもキロもそして勇治も・・・・みんなの気持ちが通い合います。